とある28歳の体験談と趣味嗜好

主にグルメと映画と趣味についてのブログ.

【ストーリーが残念】惜しい映画オーバードライブ

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映画と車が好きなざっくりです。

 

今回楽しみにしていた「オーバードライブ」見てきました。

「兄弟の葛藤」「クラッシュ」「高速で首都高を走るラリーマシン」「最高のエンジンの音」

もう見るのを楽しみにしていた映画でした。

 

しかし実際見てみて、「これほど惜しい映画はないな」と感じました。

途中退室しようかと迷った映画です。

 

車は素晴らしい

この映画はラリーを中心にした映画です。

レギュレーションというルールの制約の中で悪路などを走りきり、タイムを競い合う、そんな競技を描いた作品です。

 

現実でも車会社は頑張っています。

トヨタはWRC、ホンダもF1復活など、『車ってかっこいいよ!』『レースなんかも面白いよ!』

そういった風潮の元で作られた映画だと思います。

 

高層ビル群を駆け抜けていくマシンはかっこいいです。

映画館の音響でエンジン音が聴けるのは最高です。

日本にはラリーなどのレースに向いた、美しい風景が沢山あるなと感じさせてくれます。

 

でもそれだけに、それだけに惜しいのがそれ以外の部分です。

 

ストーリーは感情移入できず、車マニア向けの傾向が強い。本当に残念

僕は車が好きで、この映画に興味がありました。

レースを題材にして、「車っておもしろいんだよ!」っていうメッセージを伝えようとしたのかなと思います。

そんな映画はここ最近では他に記憶がありません。

 

この映画について、車が好きな人は走行シーンで面白そうと思うし、車に詳しくない人は好きなイケメン俳優などを目的に見に来ます。

どのような形で来るにせよ、最終的に「題材とされてるラリーってどんなものなんだろう?」って、自動車レースのファンの間口を広げられる可能性を秘めた映画でした。

 

でも残念なことに良さを全然伝えれてないと思います。

「自動車レースって面白そうだな!観戦に行ってみようかな?」っていう新しいファンをこの映画で作れたか?と聞かれたら僕は疑問符だと思います。

むしろますます興味をなくしちゃう。

そんな残念なところがいっぱいあります。

 

まず感情移入できない、キャラクターの焦点が中途半端です。

ラリーに興味のない女の子の成長に焦点を当てたいのか、兄弟の確執について焦点を当てたいのか、シグマレーシングのトップとのライバル関係に焦点を当てたいのか、盛り込みすぎてすべて中途半端です。

 

誰一人として感情移入できるよう深堀りされていないし、どの挫折から乗り越えようとするのか感情移入しようとしてもコロコロコロコロ登場人物のスポットライトが変わります。

 

最初はラリーに興味が無い女の子が、だんだん魅力を知っていくのかといえば違う。

死んだ幼馴染を挟んでできた確執を、レースを重ねる毎に明らかになって、協力してライバルを打ち倒すといえば違う

シグマというトップ集団がいけ好かない野郎で、それを最終戦で挽回、スカッと逆転するというのも違う。

 

話の流れはそうなんですけど、すべてが唐突に、観客が理解できないまま進んで、勝手に大円団になる。

観客はおいてけぼりです。画面の向こう側だけが、勝手に争い、勝手に悩み、勝手に喜び、なぜかよく分からないけど大円団になる。そんな映画です。

 

これでは他人事のようにしか考えられません。本当に惜しいです。

 

GT300などの実際のナレーターも使います。実際にあったらいいなと思う白川郷や首都高などの会場を走ります。

けど全く説明はありません。

 

車やレースを全く知らない人に『〇〇ステージ!〇〇のコース!第〇日をかけて行われる~』と言われたって何のことだかわかりません。

 

レースの勝ち負けってどう決まるの?

タイムが縮まると何がいいの?

ポイントはどう決まってるの?

エンジンテストや慌ただしくパーツを変えてるのは何のためなの?

 

それをした結果、どうなっていくのか?

という部分を説明しきれていません。

 

そういったレースを全く知らない人向けに説明がないまま、「知ってるよね?」と言わんばかりにどんどん進むので、ドライバーやメカニックの葛藤も全然わかりません。

 

本来観客が感情移入出来るはずの、ラリーを知らない女の子も、広告代理店なのかスポンサー会社なのか立ち位置がわかりません。

そういう説明がないまま、唐突にロゴを隠さないようにメカニックに怒ったり、邪魔をして突き飛ばされたり、喧嘩の仲裁に入ったり、介抱してくれたり、「一体この女の子はなんなんだ?」

という気分にさせてくれます。

 

おそらくマネージャーかな?とは思いますが、忙しい中ピットに入って邪魔したり、タイムを削ろうとしている中で「スポンサーロゴを見せるように!」と強制してきたり、見ている方もイライラします。

極めつけは「自分の好きなゴルフの担当に戻れなければラリーやめます」と言ってみたりなど、見ている方からしたら「さっさといなくなれ」としか言えない邪魔者になってしまいます。

 

本来この女の子は、観客が感情移入できるようなキャラクターになるべきだったのにと思います。

映画を見ている人と同じく、ラリーを知りません。車のメカについても知りません。タイムやポイントを競うなども知らず、コースを転々とする意味も知りません。

 

例の女の子に、ラリーとは何か。仕組みやコースを転戦する意味は何か。ポイントを稼ぐことやピットイン時に何をするか。

そういった見る人が疑問に思うことを教える人が側に一人いて、観客と一緒にラリーの知識を覚えて行ければ、映画を見る人みんながラリーとはどういうものか感情移入できたのではないかなと思います。

 

なのでこの映画を高評価するとしたら、

『ぜひ現実でも〇〇を走ってほしい』『走行シーンがよかった』という車が走っていたことについての感想か、『俳優がかっこよかった』の二極化ではないかなと思います。

 

こんなストーリーだったらもっと良かったのではないか

本当に観客が置いてきぼりの映画、そこが残念です。

 

本来なら、ラリーを知らずに配属された女の子の視点で物語が進めばよかったのにと思います。

唐突によく分からない女の子が『スポンサーロゴを見せるように!』『喧嘩しないで!』と忙しいピットで出しゃばっても、見ている方からしたらただ邪魔をしているようでイライラします。

「WRC、ラリーって何?」「メカニックは何をしてるのか?」「ピット作業でのペナルティは何なのか」といった、初心者や観客が疑問に思っていることを一緒に知って成長していく。そんなスタイルだったらよかったのではないかと思います。

 

もしストーリーを変えられるなら、

・観客が知りたいことを代わりに学んで教えてくれる役割のヒロイン。

・シグマレーシングのライバルを、もっと偉そうに悪役へ変え、連続で優勝している絶対王者に。

・幼馴染との約束をもっとわかりやすく

というふうにしたらもっと感情移入できたのではないかなと思います。

 

よく知らない初心者でも

ラリーとは何か?をよくわかるように。

いけ好かないライバルに最後は逆転勝利というわかりやすい形にしておけば、こんなに観客が置いてきぼりという感覚はぐっと薄れたんじゃないかなと思います。

 

走行シーンや、ラリーシーンは最高でした。映画館の音響でエンジンサウンドを聞けるのも最高に気分が良いです。

ただ、車のファンを作る。ラリーなどのモータースポーツって本当に面白いんだよ!って新規のお客さんを作る機会を自ら逃がしてしまってる。ちょっと残念だな。

 

そんな感想を持ちました。

 

ではでは!